どのカードの絵が変わった?
絵が変えられたカードの多くは、1999年から英語版を作っていたウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の時代のものです。人種の戯画と受け取られかねない絵、宗教のシンボル、失礼なジェスチャー、裸、ギャンブル。こうした絵が、英語版では描き直されました。のちの例として、2012年のブーバーンもあります。
どのカードも、大会で使用禁止になったわけではありません。海外のコレクターが「banned(禁止)」と呼ぶのは、もとの絵が英語版では出なかったという意味です。そのため、日本版のほうが高く取引されるカードもあります。
ルージュラ:黒い顔が紫に
ルージュラは、もともと黒い顔と大きな赤いくちびるで描かれていました。このデザインは、黒人を戯画化した「ブラックフェイス」に似ていると海外で強く批判されます。1999年の英語版Base Setでは顔が紫に塗り替えられ、そのあとの英語版のルージュラも紫の顔になりました。
ただし1枚だけ例外があります。2001年の英語版Neo Revelationのルージュラは、もとの黒い顔のままです。
ルージュラ 日本版と英語版
キョウ秘伝,変わり身の術と、ナツメのゲンガー
闇からの挑戦の「キョウ秘伝,変わり身の術」は、絵の左上に「卍」が描かれています。卍は仏教のしるしですが、欧米ではナチスのハーケンクロイツと見まちがえられやすいため、英語版Gym Challengeでは別のマークに変えられました。
ナツメのゲンガーも、背景が変わったカードです。日本版は暗くにごった背景ですが、英語版Gym Heroesのキラカードでは星空になっています。
キョウ秘伝,変わり身の術とナツメのゲンガー
ナツメの眼:立てた中指
日本版の「ナツメの眼」では、マスターボールを持ったナツメの手の中指が、ほかの指より上に立って、こちらに向いています。英語版Gym Heroesでは、ナツメがモンスターボールを差し出す、まったく別の絵に描き直されました。
ベトベターとカスミのなみだ
拡張パック「ロケット団」のベトベターは、ルーズソックスの女子高生を下から見上げています。英語版Team Rocketでは、女の子の足は残したまま、ベトベターの目線がそらされました。どちらも姫野かげまるさんの絵です。
日本版の「カスミのなみだ」は、ヒトデマンのそばに裸のカスミがシルエットで描かれたカード。英語版Gym Challengeでは、泣いているカスミのアップに描き直されました。うわさとは違い、カスミのなみだも大会で禁止されたことはありません。
ベトベターとカスミのなみだ
金、銀、新世界へ...のスロットとモーモーミルク
コガネのゲームコーナーのトレーナーも、英語版でおとなしくなりました。日本版の「スロットゲーム」は「slot」と書かれたスロットマシンが並ぶ絵。英語版では「Arcade Game」という名前になり、スロットの文字のない、1台のマシンのアップになりました。「カードめくりゲーム」も、英語版では別の絵です。
日本版の「モーモーミルク」は、オタチが牛の乳から直接ミルクを飲んでいる絵。英語版では、ミルクびんの横にいるピッピの絵に変わりました。
金、銀、新世界へ...のトレーナー
ブーバーン(2012):腕の大砲
リューノブレードのブーバーンは、煙の出る腕の大砲を、撃ったばかりの銃のようにまっすぐこちらへ向けています。2012年8月の英語版Dragons Exaltedでは、腕を上に向けた絵に変わりました。
ユンゲラーとユリ・ゲラーさん
カードの世界から完全に姿を消したポケモンが、ユンゲラーです。2000年、スプーン曲げで知られるユリ・ゲラーさんが、スプーンを持ったユンゲラーは自分を無断でモデルにしたものだとして、任天堂を訴えました。2000年代の初めを最後に、新しいユンゲラーのカードは作られなくなります。
2020年11月、ゲラーさんは謝罪し、異議を取り下げると発表しました。ユンゲラーは2023年6月16日のポケモンカード151で約20年ぶりにカードに戻り、英語版でも2023年9月に登場。そのあとも新しいパックに入っています。
ユンゲラー 消える前と戻ってから
日本版のほうが高い?
高くなることが多いです。もとの絵が日本版にしかないので、海外のコレクターが探すからです。2026年9月末のCardmarketの価格では、日本版のベトベターが約31ユーロ、英語版が約1.35ユーロ。日本版のブーバーンは約40ユーロ、英語版は約1ユーロでした。
ただし、すべてがそうではありません。第1弾拡張パックのルージュラは、日本版も英語版も数ユーロほどです。



































